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『ぞっこん食パン』紹介コラム#2<br>北海道の素材にぞっこん!十勝産小麦と富良野ジャムから、ものづくりを学ぶ。
『ぞっこん食パン』紹介コラム#2
北海道の素材にぞっこん!十勝産小麦と富良野ジャムから、ものづくりを学ぶ。
2017.09.01 up

「ぞっこん食パン」のルーツをたどる旅。後編は、十勝・芽室町で小麦づくりに励む農家さんと、アンティークの人気商品「富良野ジャム」の生みの親である“ジャムおばさん”さんを訪ねます。独特のもっちり食感を引き出すのに欠かせない国産小麦。その上品な香りを引き立てる、にんじんやハスカップの風味豊かなジャム。北海道の広大な大地で、「ぞっこん食パン」にまつわる素材がどのように育まれているのか、その秘密に迫ります!
 


 
SCENE1:十勝・芽室町、細野浩伸さんの「小麦畑」にて

 

 

田島

細野さん、はじめまして! よろしくお願いします。

細野

はるばる十勝までようこそ! 28年間、ここ芽室町で小麦を育てている細野です。

田島

見渡すかぎり黄金に輝く小麦畑、海外の絵画みたいに美しいですね!

 
 

 
 

細野

このあたりは、十勝平野を代表する穀倉地帯ですからね。あと2〜3週間もすると秋まき小麦の収穫が始まるから、今が一番、小麦畑らしい風景かもしれません。

田島

さっそく「ぞっこん食パン」に使用している小麦のことをお聞きしたいんですが、国産小麦の現状はどんな感じなんでしょう?

細野

まず国産小麦の自給率は約15%で、その6〜7割が北海道産。そのほかの小麦消費は、海外からの輸入でまかなっているのが現状です。

田島

パン用の小麦粉も外国産が主流だと思うんですけど、最近は国産小麦をアピールした商品が増えてきていますよね?

細野

ええ。パンに適した強力系小麦は、国産だと品種も収穫量も少ないうえに製パンに不向きとあって、長いこと作付面積が増えない状況が続いてきました。でも、ここ数年で品種改良や生産技術が進んで、収穫量がぐっと安定してきたんです。

田島

十勝エリアでも変化してきているんですか?

細野

そうですね。今までは、「ぞっこん食パン」に使用している『きたほなみ』など、中力系の秋まき小麦が中心だったんです。でも最近では、安定した栽培が難しかった強力系の春まき小麦『春よ恋』を試験的に栽培する農家も増えています。

田島

なるほど、それで高品質な国産小麦の需要が高まっているんですね! やっぱり僕たちも、消費者であるお客様も、生産者の顔が見える農産物を求めているから、この流れはとてもありがたいです。細野さんはどんな点にこだわって小麦を作っているんですか?

細野

まずは、組合全体で取り組んでいる、農薬や化学肥料を必要最低限にとどめる農法ですね。その分、収穫量が減るリスクが高まるので、安定した収穫につながる輪作体系の維持を強化しています。

 
 

 
 

田島

輪作って、同じ畑で同じ作物を作り続けない農法でしたよね?

細野

そうそう。ひとつの畑で、小麦や大麦、ビート、馬鈴薯など毎年異なる作物を栽培する方法です。同じ作物を作り続けると、畑の栄養分のバランスが崩れて連作障害が起こり、結果として収穫量が減ってしまうんですよ。

田島

なるほど。品質安全性を確保しながら、収穫量を増やしていくのはとても難しいことなんですね。

細野

ええ。小麦は本当にデリケートで、生育不良や病害虫などの被害に悩まされることも多いですしね。輪作体系を維持するためには、労働力もいるし、土づくりからしっかり整える工夫もいる。だから、導入できていない農家も少なくないと思います。芽室町の小麦農家が加入している「美生(びせい)小麦生産組合」も、以前は30軒くらいの組合員がいたんですけど、現在はたった6軒だけなんですよ。

田島

そんなに激減してしまったんですか…! 国産小麦の需要が急激に増えている一方で、供給量が追いつかなくなる心配もありますよね。

細野

その通りです。せっかく国産小麦の時代が来たのに、供給量が不足して価格が高騰してしてまっては元も子もないですから、大きな課題のひとつです。

田島

国産小麦はとても貴重なものなんだと気づかされました。「ぞっこん食パン」も、細野さんたちの努力と苦労が詰まった小麦の価値を、最大限に引き出せるものにしなくては…と、身が引き締まります。

細野

はい、楽しみにしています! いつか田島さんに、「芽室町産小麦100%のパンを作りたい」と言ってもらえるように、私たちもがんばります。

 
 


 
 
 


 
SCENE2:富良野のジャムおばさん、大久保嘉子さんの「ふらのジャム園」にて
 
 

田島

大久保さん、お久しぶりです! アンティークが創業して間もない頃にお会いした以来だから、14、5年ぶりでしょうか。

大久保

もうそんなに経つのね。当時、東浦のお店へおじゃました際、田島さんが息せき切って工房から駆け出してきてくれて。その時の表情をよく覚えていますよ。

田島

僕が20歳くらいの時ですね。大阪の修業先で「富良野ジャム」を扱っていて、自分のお店にも絶対に置きたいと思って取り寄せをお願いしたんです。今日は、ジャムの素材や製法について、改めて教えてもらえたらと思っています。

大久保

じゃあさっそく、ジャムに使う原料を栽培している「ふらのジャム園」へどうぞ。ここは麓郷(ろくごう)地区といって、北海道では農業ができる限界と言われている標高500mの傾斜地に位置しているの。

 
 

 

 
 

田島

ロケーションは最高ですけど、農業をするには難しい土地なんですね。

大久保

ええ。この農場を開墾したのは今から40年以上も前のことなんだけど、当時は地元の人でさえも耕作をあきらめていた土地でね。本当は、昼と夜の温度差が大きくて、旨みがしっかりのった果物や野菜ができる場所なんだけれど。

田島

それが「富良野ジャム」のおいしさの秘密ですよね。おもにどんな作物を育てているんですか?

大久保

この土地の火山灰土に適している、にんじん、じゃがいもなどの根菜類がメイン。あとは、かぼちゃとうもろこし、アイヌ伝承のハスカップ有機無農薬栽培のトマトなんかも作っています。ここで採れない食材は、私の生まれ故郷である北海道増毛町の果樹園から直送してもらったり、富良野近郊の山に自生しているものを知人に摘んできてもらっているのよ。

 
 

 

 
 

田島

すべてが北海道産なんですね。名物の「キャロットハニー」は、アンティークでもロングセラーの商品です。すりおろしたにんじんみたいに濃厚なのに、青臭みがなくて、甘くフルーティで…。僕も大好きなんです。

大久保

ありがとう! これは私たちの原点ともいえるジャムなの。農業を始めたばかりの頃、傷がついたり、割れたりして大量に売れ残った規格外のにんじんを前にして、“なんとかしなくちゃ”ってジャムづくりを始めたのがきっかけだから。

田島

形は悪くても、にんじん本来の味は変わらないんだから、もったいないですもんね。

大久保

本当にそう。にんじんのおいしさを生かすために、製法はこだわりました。まず、無加水であること。すべてのジャムに共通しているんだけど、水を一滴も加えることなく、素材に含まれている水分だけを煮詰めて作っているの。

田島

どのジャムも香りや味が濃縮されているのは、無加水だからなんですね。

大久保

ええ、とろみづけと臭み消しのために、りんごやレモンの果汁を足しているだけ。香料や着色料などの添加物も一切使っていません。さらに言えば、砂糖もうんと少ないの。砂糖を摂りすぎると体内のビタミンやミネラルを消費してしまうから、カラダのことを考えるとあまり入れたくなくて。40年前は砂糖が贅沢品だったということも理由のひとつだけれど(笑)。

田島

野菜やフルーツが秘めているおいしさと栄養がギュッと詰まっているんですね。素材を大切に、余計なものを極力入れない安心・安全なものづくりは、パンづくりのお手本にしたいです。

大久保

機械や添加物に頼らず、昔ながらの製法で手間と時間をかけて作っているから、そういってもらえるとすごくうれしい。それにしても、この「ぞっこん食パン」、もっちりしてて本当においしいわね!

 
 

 


 
 

田島

本当ですか、ありがとうございます! 大久保さん、パンお好きですか?

大久保

ええ、大好物なの(笑)。この食パンは小麦の香りが引き立つシンプルな味わいで、とってもジャムに合う。冷凍でもいいから通販したいくらい。

田島

富良野にも必ずお届けできる方法を考えるので、楽しみにしていてください!

 

 

profile
ryotaevina

加藤 絢子|junko kato

雑誌編集を経験後、2006年よりフリーライターとして活動。企業の広告、Webサイトを中心としたライティングを手がける。最近ではフードコーディネーターとタッグを組み、食品メーカーや飲食店、ガス機器メーカーなどのレシピ開発や食を通したライフスタイルを提案。プライベートではお酒と旅とアウトドア三昧。アンティークの推しメニューは「塩パン」。野菜をサンドして朝ごはんにしてもいいし、バターと塩が効いているのでワインのおともにも♡

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